大河第15回「兄と弟」感想

　前回は場面転換が多すぎて散漫な感じだったのですが、今回は義経を中心に話がまとまっていて面白かったvラストシーンの頼朝がよく締めてくれました。
　憧れの兄上にようやく会えた義経。いきなりの質問攻めにも淡々と答えていましたね。疑われても仕方ない…というところでしょうか。父の形見の脇差を出すかな〜と思っていたんですが。
　義経の到着を後三年の役のときの義家、義光兄弟の故事に喩える頼朝。中井さんの口から新羅三郎義光の名がでると大河「武田信玄」のときの「御旗楯無ご照覧あれ！」の唱和を思い出します（新羅三郎義光は武田家の祖。義光ゆかりの御旗と楯無鎧は武田家のご神体）。
　でも、義光はね〜、義家が死んだあと源氏の棟梁となろうとして、義家の息子義忠を策謀で殺し、しかもその罪を兄義綱になすりつけ、源氏衰退の一因となった人なんです。そんな義光と義経を重ねた頼朝の真意は……って深読みしすぎでしょうか。しかも、頼朝が討った常陸の佐竹は義光の子孫ですし。
　義経は香を焚きしめ参陣したと言われておりましたが、それも秀衡パパが用意してくれたんでしょうね。高そうなやつを。良い匂いがする、と言っていたのは義時？義時が知的でけっこう格好よくて喜んでしまいましたv早々に出番が終わってしまった宗時兄ちゃんの無念を晴らしていただきたいものです。
　富士川を挟んで対峙する平家はどんちゃん騒ぎ。その敵将の名の中に忠度の名がありました！名前だけでも出てきてくれて嬉しいです（涙）。維盛は悲愴感漂っていましたね〜。敗走を必死に食い止めようとする姿を見せてくれたので良かったぁ。でも、これが悲劇の始まりにすぎないんですよね（溜息）。
　久々登場の静御前。初登場のときよりは見られるようになったかな…。ただ、うつぼより静が恋愛対象に見られるほど魅力的かと言われると、う〜ん。
　鎌倉で頼朝と義経の二人が酒を酌み交わして語るシーン。「流人だったのでな」と呟く頼朝の表情が深いです。まっすぐな愛情を向けることのできる義経。それに比べて自分は……。弟が羨ましくもあり、眩しくもあり。複雑な感情の綾が言葉にならずとも溢れでていました。”孤独”という運命を背負った兄弟の行く末を思うと切ないです。